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何故かカタコトになってしまう
萎縮してしまうくらいにその視線は冷たかったのだ
「それだよ…犬が狙ってたの」
それ?どれ?ミレ…ファレ…?
いやいや……なんか違う…
「それって?」
彼は深いため息をつきながら私のカバンを指差した
そこには予想もしていない状態の何とも無残な私のカバンが…
「あー!!!何でー!?」
イヤ~なシミが広がっている…
周りの事などそっちのけでカバンを地面に置き中の物をそこら中にばらまくと奥底から元凶が姿を現した
「う~……ママのバカ~…何で……」
茶色に染まったお弁当袋…
そこから何ともいい匂いが漂ってくる
「あ…肉じゃがだ…好きなんだよね~ママの肉じゃが!」
またまた脱線してしまった
「違くって………どうしよ~……」
どうする事も出来ないのは分かっている
途方に暮れている私をよそに漆間君はスタスタと歩き出していた
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