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「あぁ、何だかまだぼーっとしてるわぁ。」
黒髪が綺麗な女性が布団にもぐったまま、気だるそうに言った朝。
「ほら、脳子が起きないとタカオ君もぼーっとしたままなんだよ!私、お腹すいたんだから、早く起きて!!」
ピチピチの女の子が牛乳を片手に迫ってくる六時。
「何かダルい。」
「肝子ちゃん、大丈夫?昨日タカオ君が飲み過ぎたから、疲れたんだよ、きっと!」
ボーイッシュな少女が椅子にもたれてかかれば、それを心配してツインテールの美少女がかけよる三十五分。
「タカオ!もう会社行くの!?まだご飯食べてないわよ!!」
優しそうな女性が心配そうに見送る四十分。
「またトイレしてないよ!!私、太るってば!!」
窓からパッチリ目の美女が恥ずかしい事を叫ぶ四十一分。
俺は腕時計を見た。
よし、七時半には会社に着く。
今日の打ち合わせの前に、もう一回資料を見直しできるぞ。
俺はどこにでもいるサラリーマン。
二流大学を出て、とりあえず就職。
雑用係は別名ウサばらし係。
皆の嫌な事を一手に引き受けて、気付けば同期はみぃんな辞めちまった。
単に、俺は辞めるタイミングを逃しただけだ。
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