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擬態人工皮膚にも、阿部寛のソックリさんとしてのかわし方にも慣れてきた頃、我が探偵事務所に初の来客があった。     この来客が、それから後の今となっても私に関係してくるとはこの時は思いもよらなかったが。     「す~みませ~ん」     入り口のドアから体を半分だけ入れて、顔ごと動かして室内を眺め回しながら間延びした声を発した。 小心者のくせに好奇心は旺盛なようだ。     私と目が合うと驚いて体を引きかけるが、私の顔を見て好奇心が勝ったのか首だけの会釈をして室内に入ってきた。
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