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「あら、類さん帰ってきたんだ」
紅子はそういって笑った。
「無精髭を生やしてボロボロになってね。やってらんないよ。全く…」
私はそんな紅子の言葉に頬杖をつく。
「あのねぇ、類さんにとってあそこは自分の家。あんたは居候。文句いわないの」
「はーい」
「わかったならよろしい。じゃ勇太迎えにいくからばぃばぃ」
「ばーぃばぃ」
私はひらひらと親友に手を振った。
幸せそうな顔だこと。
「さて、今日部活ないことだし帰るか…」
私は立ち上がり教室を後にした。
教室には窓から入った春の匂いが広がっていた。
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