エピソード1

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「あら、類さん帰ってきたんだ」 紅子はそういって笑った。 「無精髭を生やしてボロボロになってね。やってらんないよ。全く…」 私はそんな紅子の言葉に頬杖をつく。 「あのねぇ、類さんにとってあそこは自分の家。あんたは居候。文句いわないの」 「はーい」 「わかったならよろしい。じゃ勇太迎えにいくからばぃばぃ」 「ばーぃばぃ」 私はひらひらと親友に手を振った。 幸せそうな顔だこと。 「さて、今日部活ないことだし帰るか…」 私は立ち上がり教室を後にした。 教室には窓から入った春の匂いが広がっていた。  
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