ポケモン絵本『七夜の願い星』

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①昔々…とある大陸の中に名もなき小さな国がありました その国はお金もなく貧乏な国でしたが緑豊かで風土もよかったので農作物には困らず人々は平和に暮らしていましたその国には同じ年日同じ時間に産まれた二人の少年がおりました一人は王様の子供もう一人は農民の子供でした 二人が八歳の時ふとしたことで知り合い、すぐ仲良しになりました。しかし身分違いの二人の仲を王様や国の大人たちは軽蔑し、すぐさま仲を引き裂かれてしまいました しかしそんな障害にもめげず二人は皆が寝静まった夜中に家を抜け出し、人々が“死者の森”と恐れられている山に登ってはそこで毎日遊んでいました ②そんなある夜、いつものように朝まで遊んでいるとどこからか不思議な声が聞こえてきました 「ボク…ボクハココニイルヨ…」 二人は声がする地面を掘っていきました、すると大きな水晶の塊のようなものを見付けました その時!夜空に大きな彗星が現れたかと思うと塊に向かって光が放たれました!!二人はあまりの眩しさに耐えきれず目をつむってしまいました!!そして恐る恐る目を開けると…誰もみたことがないような不思議な生き物が二人の前でプカプカと浮いているではありませんか!!「ボクハ…ジラーチ、ヤットアエタネ…」 これが千年前目覚めたジラーチとパートナーになった二人との出会いでした ③二人は初めは戸惑っていました、なにせこの時代はまだ“ポケモン”は人間にあまり知られていなかったからです しかしジラーチの愛くるしさと身分違いの二人の仲を軽蔑しない初めての相手だったこともあり二人と仲良くなっていきました そんなジラーチは国の子供達にも受け入れられました、そしてなによりジラーチを通じて二人の事も悪く言わなくなっていき、一緒に遊んでくれるようになりました ④しかし大人達はそんなジラーチを快く思ってはいませんでした、なぜならこの国に古くから彗星とともに現れた物は災いを呼ぶと伝わる伝説があったのです! 王様は民の大人達の後押しもありすぐさま兵士たちに命を出しました!! 「あの生き物はこの国にきっと不幸を招くに違いない!王子たちから奪い取って殺してしまうのだっ!!」 それを偶然聞いてしまった王子はジラーチを連れて農民の少年とともに町の外へ逃げ出しました!しかしすぐに兵士達が追って来ます!! 二人は脅えるジラーチを守ろうと必死でしたが子供の足ではすぐに追い付かれてしまいます!!
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