ポケモン絵本『七夜の願い星』

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⑤「お逃げジラーチ!王様達の手の届かないどこか遠くの国に行くんだ!!」 「ごめんよ、僕たちじゃここまでが精一杯なんだ」 なんとか死者の山に逃げ込みましたが見付かるのは時間の問題でした、兵士達はすぐ側まで来ているのです。二人はジラーチに泣きながら謝りました 「7日間守れなくてごめんよ」「僕達ジラーチのことずっと大好きだからね」 「…ボクタチ、ズットトモダチ?」 「そうだよ!ずっとずっと友達さ…だから早くお逃げ」 二人はジラーチが空高く…見えなくなるまでずっと手をふり続けました…そしてジラーチは二人の言う通り国を離れ海を渡り…やがて人々が“ファウンス”と呼ぶ谷で誰にも見守られずに千年の眠りにつき彗星も空から消えたのでした… ⑥数年後、二人は成人し王子の少年は王様に、農民の少年は親の死後新たな農場の主に…それぞれ違う道を歩いていました 愛する人と結婚し子供も産まれるとますます昔のように会うことができなくなってしましたが二人の心はいつも繋がっていました…それはジラーチと別れる時にジラーチからもらった“テレパシー”という力のおかげでした…たとえば王様が民がどんな願いを持っているのか?などの城の外の様子を知りたい時テレパシーを使って城の外で暮らしている彼に聞いてみるのです 「今度こんな法律を加えようと思うんだが民の率直な意見を聞きたいんだ」 「わかった、いつも通りそれとなくみんなに聞いてみるよ…そうそう!この間の竜巻で北の農場の麦が全滅してしまったんだ、今年は税を下げてもらえないかな?」 「検討するよ、農場の修復作業もしなければいけないな…被害はどの程度かい?」 と、おかげで国は先代の時よりも豊かで平和になっていきましたそしてその度に二人は今はもう自分達が知らない大地の奥底で眠るジラーチに感謝しました 「今年も君のおかげで平和だったよ、ありがとうジラーチ」 ⑦年を重ねる度にどんどん豊かになっていった国…そこに住む人々もその幸せは永遠に続くものだと思っていました…しかし近隣の国々がその豊かさを妬み我が物にしようと戦いをしかけて来ました! この国は昔から平和でも貧乏だったおかげで近隣の国に一度も狙われたことがありませんでした、それゆえ戦力はないに等しく弱かったのです
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