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落ち込むときだってある
「邪魔。」
「…そう。」
「『そう』じゃねぇ。どけ。」
「や。」
何度やったソファの上でのやり取りだろう会話が終わる度に俺は盛大にため息をつく。
何だってんだ。
いきなり夜中に来たと思ったら子泣き爺みてぇにくっついて離れねぇ。
無理やり引き剥がそうとしたら酷く悲しそうな顔をしたから止めた。…おいコラ、俺はヘタレじゃねぇ。優しいんだ。
だから、こうやって何度も自分から離れてもらおうと声をかけているのだが効果は皆無。
どうしたものか…
「お前よォ…こうやって引っ付くなら彼女にしろ。彼女に。」
「別れた。」
…………………は、
「ちょ、テメェいつ。」
「3ヶ月くらい前。」
「付き合って2ヶ月経ってねぇじゃねぇか。」
この俺が紹介してやったってのに。
「…だって、」
「『だって』じゃねぇ。」
流れる沈黙。
「~だって何だよ。」
「女といるよりお前といた方が面白い。」
「俺はホモじゃねぇ。」
「俺もホモじゃない。」
「ただ、今は女とかよりも目一杯ダチと遊んでてぇの。」
了
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