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その日は、もう夏も終わるくせに土用前並の暑さだった。
机上には開いたままの教科書や、白紙のノートが無造作に置かれている。部屋を見渡すとカーテンやベッドは水色やピンクのパステルカラーで統一されていて、如何にも年頃の女の子らしい部屋に“それ”はあった。
「参ったなあ……」
と、その部屋を窓越しに覗くのは客観的に見ると十二分にも怪しいと言える男であった。
年齢は十七、八といったところだろうか。見た目からして、まだ若い未成年だということが分かった。
その男の目線の先には水色のベッドがあり、そのちょうど真ん中辺りにあるのは、その部屋にはどう見てもそぐわない“男性用の下着”だった。
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