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『ただ、欠点があって…ずっと周りの音は聞こえ続けるんだって。何十年何百年も…勇治には少なめにしてもらったからそろそろ効き目がきれるころかな?』
ぼんやりと視界が開ける。真っ白な部屋。誰かが俺をみている。
『うぅあ…』
声が出せる。
『一緒に行こうね。ずっとずっと隣同士で眠り続けるの。ふふっ。素敵だね』
『い…あ…』
嫌だ!誰か助けてくれ!
『大丈夫。次はもう目が覚めないくらい打ってあげるから…』
大分視界がハッキリしてきたが、体は動かない。
俺が最期に見た光景は……
小指に赤い糸を結んだ綾が満面の笑みで俺に注射を向けるところだった。
俺は…約束を守らされた…
……
終
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