第一話:始まりは突然やってくる

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オレはやっとの思いで教室の前のドアになんとかたどり着けた。 ガラガラと教室の扉を開ける。まだホームルームのチャイムが鳴っていないので、中はざわついていた。 ふぅ、とため息をついて俺は自分の机を目指す。 すると突然誰かが俺によってきて話しかけてきた。 「おはよう、エイジ。」 「よう、倉野。」 見ると男と女が一人ずつ立っている。ちなみに倉野というのは俺の名字だ。 「ああ、おはよう…。」 俺はほとんどかすれた声であいさつを返した。 「?、なんでそんなに疲れた顔してんの?」 女の方が心配するように話しかけてきた。 「いや、説明するから、とにかく今は座らせてくれ…。」 そう言うと二人ともこくりとうなずき、ふらふらと俺が机に向かうのを心配そうに見ながら後ろをついて来た。
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