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俺はやっとの思いで机に座ると、凄く深いため息が自然と出た。
少し落ち着いた俺は、俺の方を覗きこんでいる女と机の前に立っている男に今日のいきさつを説明した。
「はぁ?寮からここまで杖で飛んできたの?どうやったらそんなに長時間飛んでられるのよ…。」
呆れた様子で俺を見ている女は猪田真弓。俺の小学校からの親友だ。明るい性格で面倒見のいいしっかりした人である。
「ふむ、さすが我が友だな。まさかそれだけの距離を飛行できるとは。」
そしてこっちの男の方が宮村祐介。真弓同様小学校からの親友である。手先が器用で、よく魔法薬なんかを作ったりしている、少し変わり者な奴だ。
「だってよ~、仕方ないだろ。寝坊して電車は行っちまうし、歩ける距離でもないしよ。」
俺は腕をまくらにして机にうつぶせになっている状態から二人に言った。
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