序章:夢か幻か

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どうやら男の子の方がどこかへ引っ越すようだ。 荷物を積み終えたトラックが男の子の後ろでエンジン音を鳴らしている。 あれ?待てよ…。これ、もしかしてオレの小さい頃の場面じゃないか? あの男の子、エイジって呼ばれてるし…。 だけど、あの女の子は誰だ? 自分の曖昧な記憶をたどる。 だがほとんど何も思い出せない…。 とりあえずこの夢を見てみるか。そしたら何か思い出せるかもしれないしな…。 「だって、もうエイジ君は遠いところに行っちゃうんでしょ?だったら…。」 女の子の方は相変わらず半分泣きながら話している。 「大丈夫。約束するよ。だからそれまで…。」 と言って、多分小さい頃のオレはごそごそとポケットから何やら青い石のついたペンダントを取り出した。 「このお守り、僕との約束の証として持ってて。次会った時に返して貰うからさ。」 小さいオレはニコっと笑って言った。 あれ…あのペンダント……、確か母さんの……。うぅ、こっから思い出せねぇ…。 オレは右手で自分の頭をコツっと叩いた。
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