195人が本棚に入れています
本棚に追加
部屋中に時計のアラームが鳴り響く。
「うぅ…、うん?」
半分寝ぼけた状態で時計に手を伸ばす。
カチッという音とともにアラームが止む。
眠い…、寝ぼけまなこで時計に目をやる。
8:19分―
あれ?こりゃまずくないか?
というより、ピンチっぽい…。
落ち着いている時間なんて無いじゃないか!と、とにかく急いで準備しなければ!
ハンガーにかけてあった制服一式に急いで着替え、台所に行き、ちょうどよくそこにあった食パンの袋から一斤取り出し、それをくわえ、カバンを持って玄関の戸を開けて家を出た。
まずい…。廊下が静かだ。他の人はみんな行ったらしいな…。
とりあえず急いで寮の玄関の扉を開けて駅に向かって走り始める。
「とにかくヤバいぞ!」
結構マズいな…。
普段そこらを歩いているはずの学生たちも今日は誰もいない。
「うぅ…こうなりゃ仕方ないか…。」
俺はおもむろに自分の腰に下げていた自分の杖に手をかけた。
最初のコメントを投稿しよう!