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「キャー!!よ、避けて下さぁーい!!」
よ~く耳を澄まさないと聞き取れない程の、だが声を挙げる本人は精一杯の叫び声が2人の上空にこだましていた。
「やっぱり、何か気配みたいなモノを感じるんだけど…」
辺りを気にする少女をよそに、少年はまた水面に向き直る。
「でも何もおらんやん、気のせいやったんやって♪気のせ…「!?危ないっ!紅っ!!!」へ?どわぁー?!!」
どごーん
少女の呼び掛けも虚しく、紅と呼ばれた少年の後頭部に空から飛んで来た[何か]は直撃した。その勢いで、紅は手すりに折り重なり、[何か]は少女の足元に転がっていた。
「ちょ…ちょっと紅、大丈夫!?」
「………っっつぁー!!」
少女の問いに後頭部を押さえながら奇妙なうめき声をあげ、紅は起き上がった。
「マジで死ぬかと思った…な、何や。今何が飛んで来たんや…?」
「………紅。これ、何だと思う…?」
「あ…?」
少女が足元の物体に気付き、指を差しながら紅の問いに問いで返す。
指差された物体は、メタリックシルバーの楕円形をしており、良く見ると窓のようなモノもある。
2人の頭の中に、とっさにある言葉が浮かんだ…
『UFO…!?』
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