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「じゃあ、高橋の席は窓側から2番目の1番後ろな。」
担任の声に皆が此方を振り返る。
窓側から2番目の1番後ろは、私の隣の席。
最悪だ。女の子の視線が痛い。
席が隣だと云うだけで、何故敵害視されなくてはならないのだろう。
高橋君はそんな女子の思惑を知ってか知らずか、席に着くと私に微笑みかけてきた。
「高橋です。宜しくね。」
柔らかく微笑む高橋君の少し明るめの髪の毛が光に反射して輝く。
私は「どうも。」とだけ挨拶し、目線を逸らした。
此処で間違えたら私の明日は無い。
出来るだけ静かに過ごしたい私は、黙り込むと云う処世術を使った。
高橋君。君に悪意は無いけど、空気を読んでください。
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