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私服に着替えた女王が部屋から出て見ると、すでにアリスは椅子に座り本日のおやつを食べていた。
「あららぁ。アリスは今日も負けたのねぇ。」
美味しそうにマドレーヌを食べるアリスに、女王は苦笑する。
その近くで猫がカップに紅茶を淹れてアリスの前に置いた。
女王はアリスの前の椅子をひく。
「猫ぉー。私もお茶欲しいー。」
椅子に座りながら、女王は猫に甘えた声を出した。
女王は椅子に座り、テーブルで頬杖つきながら笑って猫を見上げた。
猫はそんな彼女を長い前髪の間から見て、静かに聞いた。
「女王はちゃんと手洗いうがいした?」
「アリスみたいな元気いっぱいガキ大将と一緒にしちゃ駄目ー。私はどっちかと言うとヒロインだからね。」
「ピンクの服着た、やたらヴァイオリンが下手くそなヒロインだね。僕は二人のリサイタル聞きたくないなぁ。空き地には行かないからね。」
「私は土管の上で歌わない…って何それ!?何の話!?」
放っておけば延々続きそうな会話にマドレーヌを食べていたアリスは強引に割り込んだ。
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