不思議と普通と

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夕焼け沈む時間帯。 少女は腰まである髪を揺らしながらスタスタ歩く。 その大股で歩く少女の顔は眉根を寄せて不機嫌を露わにしていた。 『変わってる』 恐らくそれが少女の不機嫌の理由。 変わり者と言われることを少女は心から嫌う。 変わり者の単語を使われた後、少女が言い返す言葉は 『いやいやいやいや!!私の人権侵害はNGだから!』 それは盛大に、 それはユニークに。 その言動でどれだけ周りを笑わせて、言わばムードメーカー的なことを引き受けてしまっている少女は、けどそんな自覚はなく。 不機嫌がたまっていくばかり。 そんな日は早く家に帰った方が良いに決まっている。 うん、早く帰ろう。
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