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「あぁ~テツ怒るやろか」
そういいながら小さく床に
飛び散る硝子の破片を拾い集めだす
案外手に刺さらなかったりする
「どーやろ、俺、雑巾かなんか持って来る わ」
雑巾はヤやな~ そう返すと
ハイドは笑って何処かへ行ってしまった
硝子を取り集めたところで秋桜は
まだ横たわっていて
ケンは破片を手に立ち上がると
逆手で頭の後ろを掻いた
これテツのお気に入りやったのんなぁ
苦く顔をしかめると自動販売機の
隣に静かに立っている、
カン・ビンと書かれたごみ箱のなかに
硝子をすべらせた
するとまた どこからか足音が聞こえて
ハイドか片手に何処から持って来たのか
新品の乾いた雑巾を持ってきた
「ほいケンちゃんぞーきん」
差し出された白い布にケンは
「雑巾嫌やゆうたやん」と笑って
それを受け取る
「何言うてんねん ちゃあんと牛乳も拭いて ないサラ持ってきてんのに」
このハイド様がと付け足すと
腰に手を当ててハイドは笑った
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