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飛龍が再び
友達に手紙を書いていた
この間から考えていたんだ
怖かったのか?
お爺さんの事、怖かったから?
知りたい事はたくさんあるけど
殺したとか
そういう話はもういいんだ
僕は見てしまったから
それ以上、追求しない
何度も君が杖で叩かれてるとこを見ているのに
僕にはそれを伝える時間がなかったんだ
聞かれた事以外に話す時間がなかった
正当防衛について
親から聞いた
なるべく罪が軽くなるといい
もうすぐ裁判だ
君にもらったTシャツを着て行く
元気を出して
裁判所で証言台に立つ飛龍の頭から
また賑やかな声が聞こえる
男
「何だよ、ナイフの事は
隠すのかよ」
女
「私の目の記憶しかないから飛龍の証言が曖昧ね」
男
「おい、ちゃんと直せよ」
浪人が答えた
浪人
「駄目なんだ
助かりたいんだ
助けてくれよ」
呆れて双子がこう言った
男
「後から罪が増えるんだぞ
母さんは何て言ったんだ」
浪人
「部屋にあったナイフなのに一緒に隠してくれているんだ」
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