宮森里沙

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     娘が寝静まった頃、里沙は自室でのんびりと紅茶を飲んでいた。  最近寝る前に飲む事が習慣となってしまい、少しお腹周りを気にしている彼女。しかし、気にしているというも現役モデル顔負けのプロポーションである。      そんな彼女は一人微笑んで紅茶を口に運ぶ。  考えるのは数時間前の娘と彼とのやり取り。  里沙は彼、真化野羊太と我が娘である宮森芽璃依との会話を思い出して思わず笑みをこぼしていた。      そんな時、突然部屋にノックの音が響き渡った。     「どうぞ……」      こんな夜中に誰かしらと少し首を捻りながらその人物を部屋の中へ入れる。     「ちょっと良いか?」      部屋に入って来たのは夫の龍輝。  食事の時も姿を見せずに部屋の中に閉じこもっていた彼。その為か、今の彼は里沙から見ても少し元気が無いように思える。     「どうかしましたか? 随分とお疲れのようですね……。食事の方は取られましたか?」      里沙は心配して声を掛けたのだが、元気が無い理由を自分の娘の交際宣言がショックだったとは思わずに、食事を取っていないからと思える思考には流石の龍輝もため息しか出てこない……。      一時期、故意にやっているんでは無いかと半ば本気で考えたが、見ている限りでは本人は至って本気。    この天然が無ければと何回思った事か……。  しかし、実際に天然じゃなくなったらと考えると何だかしっくりと来ない為、これについてはもう諦めている龍輝だった。
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