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「簡単な事ですよ……。あの二人の雰囲気が違ったんです」
里沙はこれだけで分かったのだろう。追加される言葉は無い。
「雰囲気……と言うと?」
だが、それだけではいくら処理能力が高くとも男である龍輝には分からない。
里沙はそれに対して、まだまだ女心は分かりませんか……と呟いて、
「あの二人の雰囲気が、何と言うか……恋人と言うよりも友達? いえ、あの初々しい感じはもっと親密な感じがしたので、言うならば『知り合い以上恋人未満』ね」
「里沙よ……そこは『友達以上恋人未満』では無いのか?」
普通のとは少し違う言い回しに、龍輝はそれとなく修正を入れるが、
「言葉とは状況によっていろいろと変化させる物なんですよ」
正論っぽく聞こえる言い分に避けられてしまった。
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