メリーさん

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     数分間身もだえてから突っ込んだ。     「もうメリーって名乗ってないし、居場所も言ってない。どれだけ、おっちょこちょい何だよ……」      息遣いも聞こえたし、怒ってやること忘れる幽霊。居ないだろ。そもそも電話に出る出ないの問題ではないはずだ。      また笑いそうになった……がメリーさんの名誉の為に我慢した。もはや俺の中でメリーさんとやらは完全な人間だった。     「次は何かな?」      もう既に怖いという感情は無く、少しワクワクしながらボタンを押した。      その途端、予想外の怒鳴り声が聞こえてきた。     『いい加減にしろって言ってるんです!! 何で出ないのですか!? もう怒りました!! 問答無用でそっちに直行しますから、覚悟しといて下さい!』      そこでメッセージは終わっていた……。最後、ぜぇはぁぜぇはぁ言っていたのが気になった。
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