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…ハァ
心配して損したな。
吸いかけのタバコを灰皿に押しあてて消し、ベッドに潜り込む。
「彰人さん…」
はっ?
ようやく寝られるかと思ったのに、まだ何かあるのかよ?
「何だ…?」
俺は不機嫌を繕いもせずに答える。
「手…握っていい?」
手?
お前、25だろ?
何で手なんか…
そう思いつつも、時折見せる寂しげな表情が頭から消えない。
仕方ねぇな…
「…どーぞ?」
そう言って手を差し出すと、少し冷たい雅夏の手がオズオズと触れてくる。
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