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《私達の義務》
あなたが『死にたい』といった『今』という時間。
それは…
過去に若くして『神風』となった少年達が生きたかった時間。
この世に生まれて僅か数ヶ月で、先天性の病気で命を落とした赤ちゃんが生きたかった時間。
親の虐待により餓死や外傷を受けて世を去った子達が生きたかった時間。
ある日突然、不治の病に倒れて余命宣告をされた人達が生きたかった時間。
みんな、もがいてるんだよ。
生きたくて、生きたくて、でも時代が、運命が、生かしてはくれなくて。
一体どれ程の涙が流れたろう。
一体どれ程の嗚咽が夜の闇に響いたろう。
悔しくて、悔しくて、それでも捕虜になるのを避ける為、手榴弾を握り締めピンを抜いた学徒動員の少女達。
いつ誰が埋めたのかも分からない地雷を踏みつけて、両足どころか命までも吹き飛ばされた子供達。
肉も骨も、魂までもが塵となった広島、長崎。
『生』ある『今』。
力の限り歩み続ける事が、私達の義務だと思うよ。
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