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《星になりたい娘》
あの娘はずっと…
人は死ぬと星になると信じていたんだ。
星になれると信じていたんだ。
そしてあの娘は…
いつも星になりたいと願っていたんだ。
早く星になりたいと願っていたんだ。
遠い昔に読んだ本のお話。
あの娘は今でも星になりたいと願っているんだ。
『可愛がられている妹』の世話を一生懸命やいていれば、いつか自分も愛される。
儚い夢を頼りに生きてきた。
自分にも『おやすみなさい』を言って欲しい。
自分も妹と同じように愛して欲しい。
ただそれだけなのに。
あの娘は今も、その震える手で星を掴もうとしてる。
今日か、明日か。
星になりたいと願っている。
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