1章:私立御小野台学園

5/16
前へ
/65ページ
次へ
「そう言えば、明日はテストがあるよね。」 亜依香が思い出したように言った。 「あーそうか。実力テスト。嫌だよなー。」 「今から勉強するか?」 「無理でしょ。今からじゃ。」 「そうそう、私たちの頭じゃ無理無理。」 雰囲気が暗くなってしまった。 「・・・まあ、頑張れ。」 大はなんとも言えない応援エールを送った。 「さて、そろそろ帰るか。」 陽史が言った。 「あ、じゃあ、僕は買い物して帰るからここで。梨姫も行くか?」 「行く行く!」 「マスター、お勘定。」 マスターがカウンターから伝票を持ってやって来た。伝票を見てみると物凄く安かった。 「え?これだけでいいんですか?」 美咲が聞いた。 「おうよ。うちは安くてうまい、これがモットーだ!」 マスターは力んだ。会計を済ませ、外に出た。 「マスターは副業の利益がでかいからあんな値でもやっていけるんだよ。」 大が言った。 「へ~。・・・あ、そうだ。」 美咲が言った。 「ど、どうしたの?」 「お母さんに買い物頼まれいたの忘れてた。」 「なら一緒に行く?すぐ其所だから。」 「うん。よかった、大君がいて。」 大は頭をかいた。 「じゃあまた明日な。」 陽史が言った。 「またな。」 「美咲ちゃん、また明日ね。」 「バイバイ。」
/65ページ

最初のコメントを投稿しよう!

31人が本棚に入れています
本棚に追加