1章:私立御小野台学園

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それぞれ帰っていった。 「さて、行きますか。」 大が歩き出した。梨姫、美咲、翔太も後に続く。 「ねえねえ美咲ちゃん。」 梨姫が美咲を読んだ。 「なに?梨姫ちゃん。」 「さっき美咲ちゃんがお兄ちゃんにいてくれてよかった、って言ったよね。」 「うん。」 「その時なにも言わずに頭かいたでしょ?」 美咲は少し考えた。 「あ、うん、かいてた。」 「お兄ちゃんがあれをやる時は照れているときなんだよ。」 「そうなの?」 「うん、お兄ちゃん、顔には出さないけど、行動によく出るから。」 すると大が振り返った。 「なんの話をしてるの?」 何を話しているのかは分からないようだった。 「別に~。」 「何でもないよ。」 「あっそう・・・。」 大は前を向き、右の耳の裏をかいた。 「今のは困ったときやる癖。」 「へー。」 また暫く歩いた。 「あそこだよ。」 大が指差す方向に大きなスーパーがあった。中に入るとガランとしていた。 「今の時間だとほとんど人がいないんだよね。早めに買って帰ろ。」 大はカゴを持って入っていった。 「何にしようかな~。何が食べたい?」 大は梨姫に聞いた。 「う~ん、海老フライ!」 「一昨日食べたでしょ。」
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