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梨姫が息を飲む。
「作業員の1人がいきなり血を吐いて倒れてしまった。病院に担ぎ込まれて一命は取り留めたがあの桜には近付きたくないと言ったそうだよ。それからと言うもの何人もの作業員が怪我をしたり、血をはいたりした。気味が悪くなってあの桜だけがあそこにぽつんと立っているんだよ。」
「こ、怖い・・・。」
「噂では、あの桜の下には死体が埋まっていて、血を求めて呪いをかけているんじゃないかと言われている。そうして付いた名前が・・・。」
「名、名前が?」
「血を吸う桜・・・。」
沈黙が続いた。
「さて、洗うか。」
大はなにもなかったように台所に行ってしまった。梨姫は放心してしまって動かなかった。
「あくまで噂だけどね。偶然か必然か、そんなとこで発見されたから明日はこの噂が広がるぞー。」
しかし、梨姫は聞いていなかった。
次の日、案の定学校では桜の噂で持ちきりだった。
「やっぱり呪いだよ。」
「そうそう。」
しまいには不良の行動を押さえるために桜が呪った・・・何て話も出てきた。
「みんな好きだねー、この手の話が。」
「まあ、学校生活で楽しみと言えばそれくらいだろうし。」
大達6人は大の机の周りで勉強をしていた。
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