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「あ、こんにちは。」
「すいません。今度となりに越して来た雨宮と言います。御両親は?」
「両親は仕事で海外に行って今はいないんですよ。・・・あれ?」
男の子が美咲に気付いて言った。
「お隣さんだったんですね。さっきはすいませんでした。」
「あ、いや、別になんともないですから。」
美咲は両手をふっていった。
「何があったの?」
美咲に母親が耳打ちした。
「後で話すよ。えっと、自己紹介まだでしたよね。私は雨宮美咲。高校生になります。こっちがお父さん、お母さん、で弟の翔太。」
「よろしく。」
雨宮翔太(あまみやしょうた)が笑顔で言った。
「僕は虹橋大。僕も次から高校生。此方は妹の梨姫。」
「梨姫です。中学生になります。」
虹橋梨姫(にじはしりき)が中学生だと聞いて、翔太が言った。
「あ、俺も中学に上がるんだ。よろしくな。」
「あの、学校は御小野台学園ですか?」
美咲の母親が聞いた。
「はい、あそこの高等部と中等部です。」
「よかった。美咲、翔太、入学式の日は虹橋さんについて行くのよ。お母さんは行かないから。」
めんどくさかったのか、母親は喜んでいた。
「それじゃあこれでしつれいします。これつまらないものですけど・・・。」
そう言って白い箱を渡して雨宮一家は帰っていった。
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