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~下ヒ郡、曹操軍本陣~
曹操が椅子に腰掛け呂布を見下ろしながら言った、呂布よ何故貴様は負けた。
(呂布)うるせぇ!俺は負けてない!縄を解けカスが!
(曹操)何故、これから処刑される者の縄を解かねばならぬ。笑わせてくれるわ!
(呂布)何!?俺は死なん!こんな所で終わって堪るか!!離せ虫けらども!
そこに彼の部下で同じく処刑されに連れてこられた張遼が言った。
(張遼)見苦しい・・・貴公はそれでも武人か⁉ぶざまだ‼
(呂布)張遼ぉ💢貴様💢殺してやる‼こっちにこい💢
(張遼)貴公に殺されなくとも、これから処刑されるわ‼いい加減に致せ💢将たる者は最期まで堂々とそして凛としているものだ‼いい加減、覚悟召されよ‼呂布殿・・・。
という張遼の目には確かに涙が浮かんでいた・・・。その涙は、主に厳しいことを言うことの辛さからだったのか、それとも信じて従ってきた主が最期に見苦しい態度を見せたからか。今となっては知る者はいない。
(呂布)張遼・・・。
(張遼)わかって頂けたか?呂布殿。
その時、美しい髭を蓄え、巨大な偃月刀を片手に持ち身の丈2㍍はあろうという巨漢の関羽が言った。
(関羽)曹操殿、張遼とは幾度か戦場で会い見えたことがある。彼の武人としての腕と魂は本物だ、どうか助けてやっていただきたい。
(曹操)うむ、確かに断る理由もない。わが将として欲しい。
(張遼)ありがたいが断る‼私に二君はない‼早く私の首を切れ‼
(関羽)目を覚ませ‼張遼‼そなたには、まだ生きなければならない理由がある‼降られよ張遼‼
(張遼)理由?
(関羽)うむ‼お前は大義の下でこそ輝ける将・・・お前は曹操殿の下で、その武を奮い乱世を終わらせるのだ‼
(張遼)・・・関羽殿、それは私にできるだろうか?
(関羽)お前ならできる‼張遼よ‼
(張遼)わかり申した。曹操殿‼私を貴軍の末席に加えていただきたい‼
(曹操)うむ・・・その武、我が下で、さらに輝かしてみよ‼
(張遼)ありがたき幸せ、感謝致します。
(曹操)次は陳宮、お主だが・・・もう一度我が下で策を活かしてみぬか?
(陳宮)私は貴様に愛想を尽かして呂布殿に降ったのだ‼今更戻る気など毛頭ない‼早く斬れ曹操‼
(曹操)しかし、お主には妻子がおろう。家族のために生きてみぬか?
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