act.01〔車〕

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   だから出来るだけ仁叔父には負担をかけたくないのだが……買い物の時はこうして車に乗せてもらわなくてはならない。  中途半端に田舎に位置する俺たちの家は、如何せんかなりスーパーから遠かった。  早く免許が欲しい。  18になったついこの間から自動車学校に通い始め、次からは仮免で路上に行けることになっている。  教官が言うには驚異的な早さらしいが、俺からしてみればもどかしいことこの上ない。 「……でもホントに片道だけでいいの?帰りも呼んでくれればちゃんと送るよ?」 「いーのいーの、行きだけで。 だって仁兄、この後デートなんでしょう?」  がっくん、とかなり盛大に車が揺れて、俺は物思いから引き戻された。 「なんで知って……じゃなくて、そんなワケないだろ」 「ふふ、あたしの情報網を甘く見てると火傷するわよ、仁兄」  目を細め、至極愉快そうに笑う奏。 「ちゃーんと、調べはついてるのよ」  羽織っていたパーカーのポケットから、妙に分厚いメモ帳を取り出す奏。 「目撃証言だけでも、いち……にぃ、さん……」  淡々と内容を読み上げようとする恐ろしい俺の妹、奏。  
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