好奇心のみで恐怖に近寄るは

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神殿の内部は、水がまったくなかった。 水面に、逆さにしたコップを被せた時のような そんな状態なのだろう。酸素ボンベは不必要だった。 神殿の内部は、何故か火が所々で燃え続けていて、明るかった。 そして遥か昔に造られたとは思えないほど、 綺麗で真新しかった。 更に、所々にある謎の模様。 それは五芒星らしいが、 真ん中には炎とも目ともとれる 緑色の光を放つ、奇妙な印だった。 神殿の造りは複雑で、すぐに迷ってしまった。 どうしようかと思った時、 私はすっかり忘れていた事に気づいた。 それは、水中カメラを持っていたこと。 私はカメラを起動させ、神殿内部の撮影を始めた。 様々な部屋があり、天井があるが 中庭もあった。そこには土も、小さな草花もあった。 そして、一際広い部屋に入った時。 石でつくられた机の上、石板がいくつも置かれていた。 幸いそこに記されていたのは、解読済みの古代文字。 私は、ゆっくりと読み上げた。
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