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かの水神は、その信者らにより建てられた神殿にて、
旧く白き神々の、五芒星の石によりて封印されている筈。
しかし我は目覚めた。故に、彼奴も目覚めているのではないか。
そう思い、我は神殿を目指そうとした。
ふとそこで、我の姿が
人間と同じであると気づいた。
真白き掌に、両足。
そして身に纏うは、紫水晶の如く透き通り、
闇たる色を持つ、法衣。
髪を弄れば、長く黒いものだと解った。
しかし歩みを一歩進めただけで、
我が身体が水面に映る人の様に、揺らいで見えた。
その原因は直ぐに解った。
我は未だ目覚めたばかり。
我が闇の力が、弱いままであるが故に、
人となりても、実体化まではゆかぬのだ。
我はそれらを理解した上で、神殿に向かった。
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