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へえ、乗り込んだんだ。
「そこで偶然出会ったのが、ご主人様のお爺様です。
私の話を親身に聞いてくださったお爺様は、
父の会社の負債を肩代わりしてくださる代わりに、
住み込みでお孫さんの身の回りの世話をして欲しいと頼まれたのです。」
…なぜそんな所にいるんだ、
爺さん。
かつ、余計なお世話だ。
「それで引き受けたのか!?」
「はい。お爺様がかなり若く見えたので、てっきり小さなお孫さんだとばかり思ってました。
お爺様は私に、『早くに両親を亡くした寂しがりの孫の面倒を見て欲しい』とだけ。」
「あンのタヌキじじい。誰が淋しがりだ、誰が。」
「ご、ご主人様?」
微妙に脅えるメイド。
あ、しまった。声に出ていたのか。
「で、借金を肩代わりする代わりにここでメイドとして働くことが条件だというわけか。」
「そうです。
私が家に帰った時点で契約は破棄され家族は路頭に迷ってしまいます…っ。」
「なるほど、それは分かった。
…だが、メイドという職業を誰に教わったんだ?
はっきり言って根本的に間違ってるぞ?」
「ご主人様のお爺様が、若者に最近流行の職業だっておっしゃってました。
参考資料もこんなに頂きました。」
そう言って持ってきたダンボールの中には、
メイド関係の漫画、小説、アニメetc.
―爺さん、いつの間にかアキバ系に染まってるし!?―
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