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「………返品するか…。」ボソッと一言。
ガンッガンッ
「待ってくださ~い!話を聞いてくださいっ!!お願いします~!!!」
少女は涙目になりながら、必死で蓋を内側から叩いている。
…15分後、騒音と叫び声に耐えられなくなった俺は、しかたなく蓋を開いたのだった。
「はじめまして、ご主人様。坂下まひろと申します。
この度、メイドとしてご主人様の身の回りのお世話をさせていただくことになりました。
メイド初心者ですが、宜しくお願いいたします。」
「・・・どうも。早速だけど帰ってくれる?」
即答。
「ど、どうしてですか~。」
「俺は、別にメイドなんていらないから。
どうせ爺さんに無理やりつき合わされただけだろ?
サプライズ大成功だったって報告してくれたら良いから。
爺さんも満足するだろ、それで。」
「そういうわけにはいきません。
私は、正式にご主人様のメイドとして雇われたんです。
ここが、今日から私の家です!」
断固として言い切るメイド少女。
「おい、ちょっと…。」
「何といわれても絶対出て行きませんから!
絶対、ご主人様にメイドとして認めさせてみせます。
……メイド初心者ですけど。」
いや、それ以前に若い男女が一つ屋根の下って色々と問題があると思うのだが…。
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