俺と非日常1

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そうだった、あの後次々と彼女の荷物が運び込まれて。 俺の”出て行って欲しい” という反論もむなしく、居座られることが決定したのだった。 さて、次の日の朝のメイドだが、 「メイドの朝の仕事といえば、まず第一にご主人様を起こすことですよ。」 えっへんと胸をはり、両手を腰に当ててのたまう。 いや、起こしてないし。 「でも、ご主人様の部屋に入って私は気付いてしまったのです。 今、学校は夏休み中だと・・・っ。」 両腕を掻き抱き、事実に驚愕したと言わんばかりにフルフルと震えている。 まぁ、そりゃそうだわな。 俺の誕生日、7月23日だし。 「せっかくの夏休みなのに、早起きしてしまった私って一体・・・。 そう思った私は二度寝することにしたのです。」 いや、早起きは良いことだぞ? 「ちょうどご主人様の布団がありましたのでそちらに。」 「だからって、勝手に人の布団に進入するな!」 「・・・・・・・・・。」 「・・・・・・・・・。」 「はぅう、そうですよね。お布団せまくなっちゃいますもんね。 窮屈な思いをさせてしまってすいませんでした。」 メイド失格です、としょぼくれている彼女。 そういう問題じゃないんだが・・・っ!? それ以前に。 年頃の娘が簡単に男の部屋に入るな!!! 突っ込みどころ満載な少女のぶっ飛んだ思考。 結局俺の口から漏れたのは 「・・・朝は起こさなくていい、頼むから部屋に入ってくるな。」 という諦めの入った力ない声だった。
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