メイドの秘密

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「はわわわ~~~~~~~!!」 突然家中に響き渡った奇怪な叫び声。 いや、原因は分かっている。 俺の他にこのマンションの一室にいるのは、一名しかいない。 坂下まひろ16歳 何を考えてるんだか、俺の祖父が誕生日に送ってきた”メイド”である。 ………で、何がどうなっているのか。 俺の眼にうつったのは、 台所でうろたえるメイドと、 鍋で吹き上がる味噌汁らしきものと、 何故か泡だっている微妙なご飯。 「ご、ご主人様。おはようございますっ。」 「・・・朝ご飯?」 語尾に?をつけたくなるくらいの出来である。 「はいっ。が、頑張ったんですけれど・・・。」 語尾が尻すぼみになっている。 「とりあえずインスタント味噌汁は、湯をかけて混ぜるだけで良いし ご飯は、洗剤をつけて洗うものじゃないから。」 「はうっ!?」 衝撃を受けるメイド。 「あと、俺はいつも朝はパン食なんだが。」 「はうぁあああ!?」 更に衝撃を受け、痛恨のミスです、と項垂れるメイド。 人には、向き不向きがある。 とはいえ、どうやらこの少女は家事に関して壊滅的なようだ。 「はっきり言って。君、メイドに向いて無いと思う。」 「………!?」 真っ白に燃え尽きたメイド。 いや、だからどうして家に帰らないんだ?
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