五島から佐世保へ

38/48
前へ
/483ページ
次へ
今私達が金の顔さえ見れば消費することに夢中になり、家具調度、電化製品をずらり並べているのを見て、父は眉をひそめている。先日私が相浦の本家へ行った折、父がノートの数頁に書いているものを何気なく読んだら、昔と今では時代も違うし、考え方も違うかもしれないが、今の若い者の考えは間違っているのではなかろうかと自分が辿ってきた道、経験したことなどを述べ控えめな言葉で戒めてあった。 安月給で八人の子を育てながらも、二軒の家を建てた父であれば消費生活におぼれている子供達を見れば、やりきれないものがあったのだろう。
/483ページ

最初のコメントを投稿しよう!

925人が本棚に入れています
本棚に追加