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『あの木の下で待ってる』
そう伝えて3日が経つ。
約束の日……あの子は来てくれるだろうか。
ずっと秘めていたこの想い。伝えるなら今だ。
部活の時間、俺はゴールポストから離れる事は少ない。今日もインターハイに向けて練習。日本一のゴールキーパーを目指して。。。
そんなやる気とは裏腹に俺の目はいつもチア部に向く。
「ちょっと先輩、また見てんすかあ?エロいな~」
「う、うっせ!早くボール用意しろよ!」
アクロバットな演技では必ず上に乗る和風なあの子。綺麗な黒髪。のっぺりした顔立ち。家はやっぱりお寺とかかな?
クラスは違うけど、移動教室の時は自然とあの教室が気になってしまう。
やべ、スカートがめくれるっ!急いで視線を戻す。後輩が笑う。
インハイを4日前に控えたあの日、俺はついに行動に出た。
彼女の登校時刻はいつも一緒だ。その時間に合わせて俺は靴箱の傍で待ち伏せた。
『貴女に話したい事があります。インハイの前日の夜8時、中庭の記念樹で待ってます。サッカー部のGKより』
この手紙を渡してやる!
あの子が現れた。急いで駆け寄る俺。
「あ、あの!」
「?」
「………」
「………?」
やべ、気まずい。。。
「こ、これ読んでくだfpjkあpjiい」
手紙を音速で渡し、光速で走り去った。
gdgd過ぎ、死にてえ。。。。
そして今、約束の日、約束の時間。
あの子は来るだろうか。
……来た!小走りでこっちに駆け寄ってる、
目の前に彼女が立つ。俺は静かに口を開いた。
「ずずっと前……あああなたに………ひひて、ごほっ………一目惚れしました!!!好きです!!ツミ子さん!!!」
言いきった達成感と緊張感にまみれる。
その時だ。ツミ子は前髪の奥の目を光らせ、何か言った。
「え?」
聞き返す俺。耳を近づける
「ツミナガラ…」
そう聞こえたような。次第に彼女はそれを連呼するようになり、体を左右に揺らし始めた。
「ツミナガラ…ツミナガラ…ツミナガラ…」
恐ろしくなってきた。記念樹がざわざわと音を立てる。
わけもわからず後ずさりする俺。
一体なんなんd
「グァアアア!!!!」
何だ!?いきなり発狂したツミ子。
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