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車は地下の駐車場へと下りて行く。
『着いたよ。』
勇に促されて、沙羅は無言でエレベーターに乗る。
――ポーン!―
エレベーターは勇の部屋の階で止まった。
『来るのか?』
『ん…。』
勇が部屋の鍵を開ける。
懐かしいこの部屋…
沙羅は昔を思い出していた。
『ココアだな?』
『うん、覚えてたの?』
沙羅に笑顔が戻って来た。
『まぁな。』
照れ隠しに笑いながら言った。
『勇…あたし今夜ここにいてもいい?』
微笑んで答えた。
『俺は構わないよ。沙羅がそうしたいならな。』
『さんきゅ、勇。』
『風呂使うなら勝手に使えよ?』
『ははっ、変わらないね。勇のそんなとこ。』
『そうか~?』
何故だろう?
勇の傍が居心地良く感じるのは…
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