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暫く勇は沈黙していたが、静かに言った。 『沙羅、今夜は寝ろ。』 『勇…あたしは…』 言いかけた沙羅の口をキスで塞いだ。 『お前の中にまだ蓮がいる。今夜はこれ以上は出来ない。』 そう言いながら、沙羅に毛布を掛ける。 『傍にいるから心配すんなよ?』 『ん…さんきゅ。』 緊張の糸が切れたのか、沙羅はそのまま眠りに墜ちた…。 勇はその様子を見ていたが、ベッドから離れてリビングへ向かう。 煙草に火をつけながら携帯を取り、電話をかける。 『…はい。』 『俺。』 『あぁ…勇か。沙羅はそこにいるのか?』 『あぁ、来てる。眠ってる。』 『そうか…。』 少し考えて蓮は言った。 『勇、沙羅を頼むわ。』 『蓮、本気なのか?』 『あぁ…。』 『そうか…判った。』
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