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蓮からの電話を切った後、沙羅はひとり部屋で泣いていた。 蓮の女癖が悪いのは昔からだ。 諦めていた・・・筈だったのに ――ピンポン―― チャイムが鳴った。 『・・・誰?』 『俺』 『蓮?』 沙羅はドアを開けた。 蓮は部屋に入るなり沙羅を抱きしめた。 『・・・離してよ、蓮・・・』 『・・蓮。あたしだけを見てくれないのならやめて。』 『俺は何時だって沙羅だけを見てるさ。』 そう言って蓮は沙羅の唇を塞いだ。 仕方なく沙羅はそれに応えるように口を開いて 蓮の舌を受け止めた。 蓮はゆっくりと沙羅の服を脱がしていく。 ・・・いつもと同じ、慣れた手付き。 ・・・もうどれくらい蓮の体温を感じてきたのだろう? だけれど、この温もりを誰かと共有する事は、沙羅の自尊心が 許さなかった。 沙羅は蓮がくれる快楽の波に翻弄されながらも、 心は冷ややかだった。 『・・沙羅・・愛してる・・』 『蓮・・』 蓮の指が沙羅の中に入ってくる。 抑えようのない快感が全身を駆け巡る。 『あ・・はぁ・・』 『・・・気持ち、いい、の?』 『ん・・・』 それでもこの快楽に身を委ねてしまう自分自身が許せなかった。
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