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●3月16日●
今日はあの、私の姿が見えているかもしれない人間目当てじゃなくて、いちごに会いに行ってみることにした。
そうだ、いちごの好きなねずみも捕っていってやろう。
そう思いながら、ウキウキする気持ちを抑えてあの場所に行くと、いちごはいなかった。
片手にぶらさげたねずみが、寂しさを増長する。
急にイライラしてきて、私は人間がたくさん通る往来の方に、死にかけのねずみを投げつけた。
「きゃあ!!」
悲鳴があがる。
ああ、そうか。
私のことは見えなくても、ねずみは見えるんだ。
気付いたときには、私はそこらじゅうのものを、癇癪を起こしたように投げまくっていた。
ちょっと、すっきりした。
でもこれって疲れる。
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