4章~練習~

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すると,日下部がこう言った。「変化球はなにがある?」 オレは持っている変化球を全てこたえた。 「カーブ,スライダー,シュート,チェンジアップ,フォーク‼」 「わかった。じゃあ投げてみろ」と言い日下部は再びマスクをかぶった。 最初はカーブ。 左打者の内角に決まった。みんなの反応は… 一人の部員が口を開いた。「普通だな…」 次はスライダー。 カーブと同じところに決まった。 反応は同じく普通だった。残りの変化球を全て投げるも、反応は普通。ただコントロールは上手くいった。そして関西弁の部員が一言。 「なんね今の球。あんなの誰だって打てるで。」 すると日下部が口を開いた。 「言ってくれんじゃねぇか。そんだけ自信あんなら勝負しろ‼」 その言葉にグランド全体がどよめいた。 オレは瞬時に「勝てない」と思ったそのとき。 日下部が歩いてきてオレに耳打ちした。 「やつはシニア時代に4番を打っていて全国ベスト4になった男だ。だが一井、おまえのそのコントロールがあれば絶対に抑えられる。全力で投げろ‼」 その言葉を聞いて、オレは引くわけにはいかなかった。 そして、30分後の勝負に挑む。
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