3章~勝負~

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「勝負は一球勝負。遠くに飛んだほうの勝ちです」。 いたって普通なルールだ。この監督は本当にオレに勝つ気でいるのだろうか? いくら球が遅いとはいえ一応ピッチャーだ。そんなオレに勝つだと? オレはだんだん腹立たしくなってきた。 こんなじいさんにナメられているんだからムカつくのも当然であろう。 でもまぁいらだっていてもしかたがないので早く始めるよう監督に言った。 監督はこう言った。 「あなたからどうぞ✋」っと。 マッタリと言われるとダブルでムカつく💢 オレは「ギャフンと言わせてやる」っと思い全力で投げた。 しかしボールは無情にもすっぽ抜けて25㍍。 「しまった💦でもこんなじいさんが25㍍も投げれるはずがない。どうせすっぽ抜けるのが落ちだ」っと思っていると次の瞬間なにかが目に飛び込んで来た。 「綺麗な踏み込み。そして豪快な腕の振り。」 …記録は……30㍍。 「負けた。こんなじいさんに。」俺の心は悔しいさと惨めさでうめつくされた。いったい原因はなんだったのか? すると監督は俺の心の中を見透かしたように言った。「まずボールをしっかりにぎらなければいけませんねぇ。バスケットボールは大きいから握力がいります。
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