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『よし!行くぞ!』
スコルツェニィが叫ぶ、その瞬間…ドアに近い所にいた兵が飛び出した。
スコルツェニィもすぐに続いた。
マイヤー中尉はスコルツェニィの注文通りに、ホテルの側に機体を止めたので…
ホテルまでの距離は15メートルもなかった。
スコルツェニィはサブマシンガンをしっかりと握りしめ、走り出した。
ホテルの側にある、小高くなった場所にイタリア兵が立っていた。
彼らは壊れたグライダーを見て、驚き、これがどこから来たのかと不思議がっていた。
スコルツェニィは、この兵に考える隙も与えずに、その前を走り過ぎた。
他の兵も続いた。
彼らはまだ一発も発砲していなかった。
出撃に先だって、スコルツェニィは…
「自分が発砲するまでは撃つな」と…全員に厳命していた。
彼はそれが正しかったと実感した。
発砲しない事と、イタリア人の習慣を利用した事で…
スコルツェニィ達の作戦は、完全な奇襲となった。
スコルツェニィが振り向くと、他のグライダーも着陸しており…
隊員達が続々と降りてきていた。
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