第三章…グラン・サッソ強襲

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『よし!行くぞ!』 スコルツェニィが叫ぶ、その瞬間…ドアに近い所にいた兵が飛び出した。 スコルツェニィもすぐに続いた。 マイヤー中尉はスコルツェニィの注文通りに、ホテルの側に機体を止めたので… ホテルまでの距離は15メートルもなかった。 スコルツェニィはサブマシンガンをしっかりと握りしめ、走り出した。 ホテルの側にある、小高くなった場所にイタリア兵が立っていた。 彼らは壊れたグライダーを見て、驚き、これがどこから来たのかと不思議がっていた。 スコルツェニィは、この兵に考える隙も与えずに、その前を走り過ぎた。 他の兵も続いた。 彼らはまだ一発も発砲していなかった。 出撃に先だって、スコルツェニィは… 「自分が発砲するまでは撃つな」と…全員に厳命していた。 彼はそれが正しかったと実感した。 発砲しない事と、イタリア人の習慣を利用した事で… スコルツェニィ達の作戦は、完全な奇襲となった。 スコルツェニィが振り向くと、他のグライダーも着陸しており… 隊員達が続々と降りてきていた。
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