第三章…グラン・サッソ強襲

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近くの階段を駆け上がったスコルツェニィは、踊り場でムソリーニを見つけた。 彼は二人の若いイタリア将校にガードされていた。 スコルツェニィは瞬間戸惑った。 対する二人の将校達も戸惑っているようだった。 それは、ほんの数十秒の事だったが…彼らには長く感じられた。 そして、スコルツェニィが意を決して動こうとした瞬間。 シュベルト中尉が二人の隊員を連れ、そこにやってきた。 イタリア将校はそれを見て、両手をあげた。 スコルツェニィはシュベルトをムソリーニの護衛とし… 自身は一人の兵を連れ窓に向かった。 外では、隊員達が続々とホテルに向かって来るのが見え… 増援で来ていたイタリア兵達は、あちこちで武装解除されていた。 『ムソリーニ閣下は私が保護した!全て順調!あらゆる場所に哨兵を配置せよ!』 スコルツェニィはそう叫び、指示を出した。 彼らが着陸してから…ムソリーニ確保まで…時間は4分しか経っていなかった。
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