第三章…グラン・サッソ強襲

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残る仕事は…ホテルの中で頑張っている、イタリア兵達をどうするかであった。 スコルツェニィはソレティ将軍を伴い、ホテルを防備していた司令官に会いに行った。 彼らはホテルの奥まった一室におり… スコルツェニィはそのドアの前で叫んだ。 『司令官に会いたい!すぐに出て来ていただきたい!』 程なくして…頭の禿げた男が出てきた。 彼は大佐の階級章を付けていた。 『即時降伏を要求する。ムソリーニ閣下は我が方が確保した。 建物も我々が制圧した。 1分以内に返答をいただきたい!』 スコルツェニィの言葉を、ソレティが通訳して伝えた。 そして、ソレティは相手の大佐に何かを耳打ちした。 大佐が部屋に消えた後、スコルツェニィはソレティに聞いた。 『将軍…一体何を?』 ソレティはにやりとして答えた。 『ん?ここで死ぬだけが人生ではない…と言ったが? 後少し待とうじゃないか、スコルツェニィ隊長。』 そして…その数秒後、彼の大佐が中身の入ったワイングラスを手に出てきた。 彼はスコルツェニィとソレティに、グラスを渡し… 『勝利者に乾杯…』 と言って、自らもグラスを上げた。 『ご英断に感謝する』 スコルツェニィも、そう言って グラスを干した。
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