第三章…グラン・サッソ強襲

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外では喜びの声が上がっていた。 誰かが白いベッドシーツを振り回して、イタリア軍の降伏を知らせていた。 ホテルはドイツ軍の手に落ちた。 そして、スコルツェニィがムソリーニと会う時が来た。 ムソリーニはヒゲも剃らずグレイのスーツを着ていたが… そのスーツはだぶだぶであった。 しかし…その顔には、喜びの色がうかんでいた。 スコルツェニィは直立不動の姿勢をとり、ムソリーニの面前に立った。 『ムソリーニ閣下!総統が私を派遣されました。 貴方は自由です!』 スコルツェニィの言葉は、しっかりとしたものであった。 『我が友である、アドルフ・ヒトラーが私を見捨てるはずがない』 そう言ってムソリーニはスコルツェニィを抱きしめた。 『スコルツェニィ君…ありがとう。君の働きに感謝する。』 ムソリーニはスコルツェニィを抱きしめながら、そう感謝の意を示した。 スコルツェニィがムソリーニと、この歴史的なやり取りをした時…時刻は2時30分を指していた。
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