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スコルツェニィがフリーデンタール本部へ着いたのは…それから20分後だった。
彼が本部へ入ると…中は蜂の巣を突いた様な騒ぎだった。
『待っていたよオットー!』
スコルツェニィを見つけたラドルが近づいてきた。
ラドルは彼が知りえた、事件の内容をスコルツェニィに説明した。
『犯人は国内予備軍参謀長、シュタウフェンベルク大佐だ。
彼はヴォルフ・シャンツェでの会議の際に…爆弾を持ちこみ、総統閣下の爆殺を目論んだ…
しかし、総統閣下は幸運にも、軽傷ですんだらしい…』
『で、何故我々に捕縛要請が?』
スコルツェニィは疑問をぶつけた。
『実はな…シュタウフェンベルクの背後には、かなりの規模のグループが存在しているらしく…
今さっき…ベルリンの国内予備軍に対して治安維持活動と称して…ゲシュタポと親衛隊への威圧行動を行う辞令が発布された。』
『命令元は?』
『国内予備軍最高司令部からだ』
スコルツェニィの頭の中で…全ての情報が、一つになった。
『つまりはクーデター…だな?ラドル?』
『ああ、その通りだ、オットー。
我々に下された命令は…』
『クーデターの鎮圧と首謀者達の捕縛…そうだな?』
ラドルは無言で頷いた。
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